vol.1では筆者が「寿退職」を選んだ理由、そしてvol.2では実際に専業主婦になってどう生活が変わったか、世間一般の専業主婦に対するイメージと実際のところ、について書きました。今回は、それに続いて専業主婦になると現実的にどのようなリスクが女性を待っているか、どのような覚悟が必要かをお伝えしていきましょう。
リスクへの覚悟
お金の話が続きますが、専業主婦になるというのは、非常にリスクの高い選択です。共働きであれば、どちらかが病気になったり失業したりしても、世帯収入の約半分は残ります。ですが夫ひとりの収入のみの場合、夫の病気や失職というアクシデントが起こると、いきなり世帯収入はゼロになります。もし病気で入院や手術の必要が生じ、保険などに加入していなかった場合、収入はゼロなのに支出は増えるという最悪の状態になります。
何が言いたいかというと、専業主婦という生き方を選ぶならば、そのリスクを理解してきちんと備えをしておかなければならないということです。共働き夫婦よりも家計における貯蓄の優先度を高くし、収入の無い時期があってもしばらくは暮らせるようにすること。入院や手術といった高額な出費に備えて、適切な保険への加入を検討すること。そして専業主婦であっても「何かあれば私が働こう」という気構えを忘れないようにすることも大切です。
どこにも属さない自分
次に精神的な話です。専業主婦になると、所属している機関がなくなります。それまでは学校であったり勤務先であったりが所属先だったわけですが、家庭以外に所属がないのです。当たり前のことですが、筆者はそこに妙な「とり残され感」を覚えました。これは多くの専業主婦が抱えやすい感情のようで、焦燥感や疎外感、孤独感にもつながります。多少は仕方がないにしても、あまりネガティブな感情に支配されないように趣味をみつけて仲間を増やすとか、少しパートに出るなど、居場所を意識的につくっていくのが防止策でしょう。
「女」がおちやすい
これは筆者自身もつねづね自分を戒めている点ですが、やはり女性の美しさは他人の視線によってつくられる部分が大きいです。他人の目を意識するからこそ、TPOにあった装いをし、メイクを研究し、定期的に美容院に行き、スタイルの維持にも励むわけです。ところが専業主婦になって家と近所ですごす時間が長いとなると、普段はメイクもおしゃれも必要最低限、美容院もたまにでいいや、体型がちょっと崩れたって歳のせい……など自然と緊張感がゆるみ、外見に気をつかわなくなりやすいのです。それではいけません。
自分が気持ちよく生きるためにも、夫婦円満のためにも、手入れの行き届いたその歳なりの美しさを保ちましょう。お金をかけてエステには行けなくても、日々の生活の中でできるちょっとしたエクササイズや、高価でなくとも自分にあった化粧品や洋服をとり入れることで、女性としての意識を保つようにしましょう。
▽ vol.4に続く